株主優待クロスで初心者が間違えやすい、逆日歩についてまとめました。

逆日歩料金を調べてみると、同じ銘柄でも、○○証券だと1.5円、優待クロスの○○サイトだと150円、某専門株サイトだと、450円になっている事ありませんか?

実はどれも正解です。

逆日歩金額が間違っているわけではありません。では、いったい何が違うの?
株初心者でも、わかりやすいように、逆日歩の基礎の基礎をまとめました。

尚、逆日歩とは?逆日歩が発生する仕組み等は、また別記事でご紹介です。
今回は、逆日歩の金額についてだけまとめています。

逆日歩の基本は品貸料率

制度信用のクロス取引を行った時に気にするのが、逆日歩の金額です。(支払う費用)

発表は「日本証券金融株式会社」という投資家の為の企業がおこなっていますが、発表名称が品貸料率です。
逆日歩という言葉は使われていません。

品貸料率の発表はいつ?

品貸料率は翌日のお昼ごろに確報として前日分が発表されます。
例えば25日(水)の結果が、26日(木)にわかるという事です。

株取引当日に逆日歩はわかりませんが、当日夜になら逆日歩発生の原因となる貸借残が速報として発表されます。これが、貸借残速報です。なお、貸借残確報も翌日のお昼過ぎに発表です。

品貸料率が逆日歩になるまでに必要な事

逆日歩は株クロスの専門用語ですが、正確には計算によって、逆日歩金額が決定します。
そのベースとなるのが、品貸料率です。

また、実際の逆日歩金額を決める為の指数に株数や当日品貸日数があります。

逆日歩に株数が関係するの?

株には、単位が決められていますが、1株、100株、1000株と、銘柄によって違います。
また、逆日歩のベースとなる計算方法も株の単位によって異なります。

さらに、株主優待は100株だけじゃなく、200株保有で権利発生などの銘柄もあります。
よって、正確な逆日歩金額を知るには、株数が必要です。

当日品貸日数(逆日歩日数)

品貸日数は、投資のプロが使う用語、株主優待をおこなう方の間では、逆日歩日数と呼ばれています。

品貸日数(逆日歩日数)とは、レンタル日数のようなものと考えるとイメージしやすいかも知れません。

A日の月曜日に株を借りたら、1日のレンタル代で済むけど、B日の水曜日に借りたら強制的に3日のレンタル代になるようなものです。
なぜ、そうなるかと言うと、品貸入札の仕組みがそうなっているからです。

品貸は、申込日から2営業日目に借りて翌日に返却します。つまり、水曜日に申し込みしたら、金曜日に借りて翌日に返却する事になりますが、翌日が土曜日で休み、翌々日も日曜日で休み、この2日分はレンタル代として加算されるので、トータル3日の品貸日数になります。

それ以外の曜日に申し込みした場合は、通常1日の品貸日数ですが、返却日が祝日(企業のお休み)になったら、返却日が繰り越されてしまうのです。その為、4月末や12月末の権利付き最終日の場合、水曜日でなくても、4日や5日といった品貸日数になるので、ご注意ください。

優待取得の権利日の品貸日数(逆日歩日数)を知りたい方、「株主優待日程一覧表」を参考にどうぞ。

逆日歩金額を算出する方法

実際に支払う額を逆日歩とするなら、逆日歩金額は次のように計算されます。

逆日歩 = 品貸料率×株数×品貸日数

逆日歩計算の基本となるのが品貸料率

ここまで読んで、ある程度逆日歩の事がわかったのではないでしょうか?
冒頭の逆日歩金額の違いは次のように説明できます。

  • 1.5円は、品貸料率を発表している
  • 150円は、最低単元100株の場合の逆日歩金額
  • 450円は、3日間の品貸日数まで計算に加えた逆日歩金額

品貸日数は、株を貸している期間が、土日や祝日をまたいだ場合に増えます。株の需要と供給の関係ではなく、権利日によって自動的に決まる数値です。

1年前の逆日歩と比較する場合など、品貸日数を加えてしまうと、高額逆日歩の原因がわかりずらくなるという理由かもしれませんが、品貸料率と品貸日数を分けて表示しているケースが多いです。

でも、これだとクロス取引、つなぎ売り初心者の方はわかりずらいかも知れません。実際の逆日歩金額(支払う金額)をストレートに知りたい場合は、品貸料率に品貸日数を掛けて計算するのが正解です。

なお優待クロスで500株必要の場合など、逆日歩リスクが5倍になる事に注意が必要です。(500株の場合は5倍で計算)

リスクの最大値である最大逆日歩も計算が可能!

逆日歩金額は、どれだけ株が足りなくなるかで、金額が異なりますが、リスクの最大値である最大逆日歩を知る事は可能です。その基準となるのが、最高料率です。

最大逆日歩は、次の計算値によって値が決まるので、株価によって毎日変更します。

株主優待権利付き最終日の前日に最大逆日歩の予想が出来るのも、その為です。

最大逆日歩 = 最高料率×株数×品貸日数

最高料率は、1日・1株当りの料率なので、最大逆日歩金額を知るには、株数と品貸日数が必要になります。

なお、最高料率は、「https://www.taisyaku.jp/media/about-hayamihyo.pdf」の早見表で確認できます。

逆日歩と品貸料率の関係、もうめんどくさい!という方、巨人とジャイアンツが同じ、みたいな感じで覚えておくとよいでしょう。

結局意味は同じですから・・・・ちょっと違うのは、次の計算をしているかしていないかの違いです。

逆日歩と品貸料率は同じ
  • 品貸料率:1株あたりの逆日歩金額
  • 逆日歩:投資家が実際支払う金額